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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)2110号 判決 1975年3月10日

被告人

1 本店所在地

東京都渋谷区神宮前六丁目一九番一〇号

商号

司興業株式会社

代表者

代表取締役 嘉戸武司

2 本籍

東京都品川区西大井二丁目五三〇八番地

住居

神奈川県大和市中央林間三丁目二四番一〇号

職業

会社役員

氏名

嘉戸武司

年令

三九年(昭和一〇年一一月二七日生)

被告事件

法人税法違反

出席検察官

寺西輝泰

主文

1  被告人司興業株式会社を罰金一八〇〇万円に、

被告人嘉戸武司を懲役一年に

それぞれ処する。

2  被告人嘉戸武司に対し本裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人司興業株式会社(以下被告会社という)は東京都渋谷区神宮前六丁目十九番一〇号(昭和四八年一〇月一四日までは東京渋谷区千駄ケ谷一丁目二一番一三号)に本店を置き、不動産売買、仲介等を営業目的とする資本金一、六〇〇万円の株式会社であり、被告人嘉戸武司(以下被告人という)は被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人は被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四六年六月二六日から昭和四七年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得が別紙第一記載のとおり一八四五万七〇二八円あつたのにかかわらず、昭和四七年三月三〇日東京都渋谷区宇田川町一番三号所在の所轄渋谷税務署において同税務署長に対し所得金額が三五万四一二二円でこれに対する法人税額が九万九一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額六六〇万七九〇〇円と右申告税額との差額六五〇万八八〇〇円を免れ

第二、昭和四七年二月一日から昭和四八年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得が別紙第二記載のとおり一億七九六四万七九五三円あつたのにかかわらず、昭和四八年三月三一日前記渋谷税務署において同税務署長に対し所得金額が一〇一九万〇八七四円でこれに対する法人税額が三一〇万八二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額六五三三万〇九〇〇円と右申告税額との差額六二二二万二七〇〇円を免れ

たもの(逋脱税額の算定は別紙第三記載のとおり)である。

(証拠の標目)

一、被告人嘉戸武司の当公判廷における供述

一、被告人嘉戸武司の検察官(三通)に対する各供述調書

一、被告人嘉戸武司に対する大蔵事務官の質問てん末書九通

一、八太洋一の検察官に対する供述調書

一、登記官認証の被告会社に関する登記簿謄本

一、大蔵事務官作成の調査書一二通

一、被告人嘉戸武司作成の上申書二通(昭和四九年六月二七日付、同年五月一〇日付)

一、次の者の作成の上申書

八太洋一(一〇通)、嘉戸義子、山口忠生

一、西野孝男作成の回答書

一、林鉄太郎作成の証明書

一、小室正雄に対する大蔵事務官の質問てん末書

一、押収してある法人税確定申告書二通(昭和五〇年押第二八〇号の1、2)

(法令の適用)

1  該当罰条

被告会社につき法人税法一五九条、一六四条一項

被告人嘉戸につき法人税法一五九条(懲役刑選択)

2  併合加重

被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人嘉戸につき刑法四五条前段、四七条本文文、一〇条(第二の罪に法定の加重)

3  執行猶予

被告人嘉戸につき刑法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 池田真一)

別紙第1

修正損益計算書

自 昭和46年6月26日

至 昭和47年1月31日

<省略>

<省略>

別紙第2

修正損益計算書

自 昭和47年2月1日

至 昭和48年1月31日

<省略>

<省略>

別紙第3

逋脱税額計算書

司興業株式会社

自 昭和46年6月26日

至 昭和47年1月31日

事業年度分

自 昭和47年2月1日

至 昭和48年1月31日

事業年度分

<省略>

<省略>

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